自由民主党 千葉県議会議員  三沢さとし  www.三沢さとし.com
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千葉県議会議員 三沢さとし

所属会派 自由民主党千葉県議会議員会
選挙区  館山市
  


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 右)金丸謙一 館山市長 三沢さとし事務所










活動報告:更新履歴
 
 更新:2020-05-15
        
活動報告
千葉県議会議員 三沢さとし
             
    
アメリカ行政調査報告書 (令和二年3月)千葉県議会アメリカ行政視察団           
         
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◆調査概要及び調査目的

今回の千葉県議会アメリカ行政調査では、各会派から推薦された県議会議員15名により、本年1月20日~1月26
日までの7日間、アメリカ合衆国においてICT利活用の推進、防災対策、外国人観光客の誘致、進出企業の支援など
の調査を実施し、本県の経済活性化、防災力の向上など、今後の県政発展に資することを目的としております。

数多くの調査を実施しましたが、私は防災対策に関する二つの調査を報告いたします。

1)ロスアンゼルス市緊急事態対策局
2)サンノゼ市危機管理局




◆ロスアンゼルス市緊急事態対策局

①日時   :2020年1月22日(水)10:00~11:00

②調査事項:本県では、災害発生時の関係機関との連携等において課題があることから、防災対策や関係機関との
         連携体制の強化等に取り組んでいる当該対策局で調査し、防災力向上に資する。

③調査概要:
防災計画や訓練等

         ロスアンゼルス市緊急事態対策局には約30名の職員が勤務し、近況時に様々な機関と調整し、対応
         をまとめる役割を担っている。ロスアンゼルス市は面積が約500平方マイル、人口が約400万人であり、
         全米第2の規模の大都市で、市役所には当局を含め49の部署がある。
         当局では緊急時に49の部署が協力してスムーズに対応できるように調整している。

         緊急時に滞りなく対応するためには、災害が発生する前に準備をしておくことが重要である。
         まず、計画立案から始め、様々な災害に対応するため、様々な想定のもと、何をすべきか手順を決めた
         100以上の計画を策定している。
         ロスアンゼルス市は地震、山火事、洪水、テロ、サイバー攻撃や津波等、様々な災害が発生する可能性
         があることから、災害に応じた計画を策定して準備している。

         計画を策定したら終わりではなく、防災対策は刻一刻と変化しているので、常に計画した内容を変えて
         いく必要がある。当局は、計画に関係する各部局と連携、最新の計画に更新していく役割も担っている。

         訓練は、毎年15~20近くの訓練や講習を行っており、年に1度、地震やテロ等のテーマを設定した大
         規模な訓練を行なている。今年度はテロ対策をテーマにして行った。また、オペレーションセンターなど当局
         が使用している施設や機器のメンテナンスを行うという役割も担っている。

         訓練や講習の実施にあたっては、他の行政機関の訓練等の実施時期を踏まえながら計画を立てている。
         例えば、国や州の訓練等は実施しており、全て受講すると修了証書がもらえる。そのため、当局では
         国や州の訓練等を受講した後のレベルに合わせた訓練等を計画するなど、事前に他の行政機関の情報
         情報収集をしながら訓練計画を立てている。

         地域への防災教育を行っている。災害時になると対策本部では、様々な対応が求められ、全てのことに
         対応するすることができなくなる。そのため、地域住民、学校や会社など、それぞれの人たちが災害時に
         取るべき行動について訓練するため、専門の職員を雇い、地域防災力jの向上に資する防災教育を行
         っている。


        :
関係機関との連携体制

         次に、様々な機関と連携して共に対応していく必要があるため、他の行政機関との連絡調整やネット
         ワークづくりを行っている。カルフォルニア州には多くの郡があり、郡のなかにも多くの市があるため、それぞれの
         緊急対策部門と連携する必要がある。

         他の機関と連携した事例では、昨年、ロスアンゼルス市内で大きな山火事が発生した際、本市の消防局
         だけでは対応しきれず、ロスアンゼルス郡の他の市や、他の郡、カルフォルニア州の消防組織から消防車等
         を派遣してもらった。
         市だけでは対応できないこともあるため、常に他の関係団体と連携して対応できるように準備しておく必要
         がある。一方、ロスアンゼルス市から他の自治体の災害に出動する場合もあり、最近ではオーストラリアの
         大規模な山火事に市や郡の消防隊が出動した。


        :
災害時の対応

         ロスアンゼルス市緊急事態対策局は、当局のほかに、消防署や警察署と建物を共有して使用している。
         3つの組織が同じ建物に入居しているため、毎日連絡を取り合いながら常時連携して災害に対応できる
         ようにしている。

         当局では、主に市内における災害の情報収集や、その対応等を指令する役割を担っており、災害発生
         時には約60分から90分でチームを立ちあげ出動できるようにしている。
         また、災害ではないが、例えばロスアンゼルスマラソンのように、事前に人が多く集まると分かっているイベント
         などについては警備等の対応をする。
         
         ワークステーションという部屋があり、机がチームごとに分かれている。これはそれぞれの役割ごとにグループ
         分けされており、警察署と連携をとるグループ、交通局と連携をとるグループ、電気や水道等の企業等と
         連携をとるグループなどが存在する。

         災害時で緊急事態とは言え、いくらでもお金を使っていいわけではないので、財務担当者を配置して支出
         の記録をしている。記録をしておけば後日、政府から補助金が交付される際にも役に立つことから重要な
         役割である
         その他にも災害発生時にどこで何が起きているか、最新情報を収集し地図化することで、現状を分かりや
         やすくしているグループもある。

         ここでは、それぞれのグループに届く情報を各グループと連携をとりながら調整を行っている。
         例えば、警察署の通信機器が不足していると連絡が入れば、警察と連携しているグループが物流グルー
         プと調整を行い連携しながら問題を解決している。

         ワークステーションでは、すぐに誰がどの担当か分かるように、例えば緑色は財務担当等、それぞれの担当
         担当に応じて、色の異なるベストを着て対応している。黄土色のベストがあるが、これはロスアンゼルス空港
         等、他の組織から来る人が着用するベストになっている。

         今は誰もいないが緊急事態発生時には、関係する部署の人たちが90分以内に集まり、12時間シフトの
         24時間体制で対応している。
         この建物は何があっても耐えられるような耐震性になっており、停電対応として自家発電機を所有してる。


        :
主な質疑応答

         問)他の関係機関とは、どのように連携しているのか。
         答)災害が起きてから連携していては機能しないので、事前に関係を築き訓練をして準備している。
            緊急対策は常に準備をする必要がある。

         問)千葉県では昨年大規模な台風の被害に遭い、他の自治体が停電したことにより、本県に情報が
            入ってこない状況が続いた。このような想定外の事態に対しては、どのように対応しているのか。
         答)そのような場合、全ての自治体に自家発電機を備えるような体制をとるよう指示するしかないと思う。
            自家発電機以外では、最近ソーラー電気もあるので、そのようなものも有効であると思う。
            やはり災害時には自給自足ができるような体制にしておかなければならないと思う。

         問)災害時は行政だけでなく、住民の一人ひとりの備えや対応が重要になると思うが、ロスアンゼルス市
            緊急事態対策局では、住民の防災力を向上させるために、どのような取り組みをしているのか。
         答)1つはロスアンゼルス市消防局が行っている自主防災組織「サートプログラム」がある。
            そして当局が行っている取組では、災害発生時に最低1週間は住民自ら生きていけるようにするた
            め、必要な物資や災害時の行動等を各地域の代表者に資料を渡し、その地域の住民に指導して
            もらっている。

         問)本県では昨年の台風被害により課題がいくつも浮き彫りとなったが、ロスアンゼルス市緊急事態対策
            局で課題となっていることはないのか。
         答)最近、ロスアンゼルス市ではホームレスが約4万人おり、大きな社会問題となっている。大災害が発生
            した際に、この人たちをどのように守るのかが課題となり、対策本部の部署を設定した。

         問)大規模な災害では、軍からの支援もあるのか。
         答)軍が関わることはあまりないが、支援が必要な時に依頼することはできる。しかし災害時に支援を依
            頼する場合、まずは郡、州、政府に依頼し、それでも対応できない際は最後の手段として軍に依頼
            することになる。
            軍へ依頼することは少ないが、事前の準備は必要なので、年1回だけではあるが、軍の方と災害支
            援時の対応について会議を行っている。

         問)昨年、ロスアンゼルスで山火事があったと思うが、その際も軍への支援依頼はしなかったのか。
         答)昨年の山火事は軍に援助を依頼するほどの規模ではなかった。しかし、カルフォルニア州に消防
            組織があって、そこの消防隊員が数百人が支援に来てくれた。
            通常、ロスアンゼルス市の消防局が主導して対応するが、その際はカルフォルニア州の消防局が主導
            権を握って援助してくれた。










  
  更新:2020-05-15
        
活動報告
千葉県議会議員 三沢さとし
             
    
アメリカ行政調査報告書 (令和二年3月)千葉県議会アメリカ行政視察団          
         
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◆調査概要及び調査目的

今回の千葉県議会アメリカ行政調査では、各会派から推薦された県議会議員15名により、本年1月20日~1月26
日までの7日間、アメリカ合衆国においてICT利活用の推進、防災対策、外国人観光客の誘致、進出企業の支援
などの調査を実施し、本県の経済活性化、防災力の向上など、今後の県政発展に資することを目的としております。

数多くの調査を実施しましたが、私は防災対策に関する二つの調査を報告いたします。

1)ロスアンゼルス市緊急事態対策局
2)サンノゼ市危機管理局




◆サンノゼ市危機管理局

①日時   :2020年1月23日(木)11:20~12:20

②調査事項:本県では、災害発生時の関係機関との連携等において課題があることから、関係機関との連携体制の
         強化や組織間の統一的な災害対応等に取り組む当該対策局で調査し、防災力向上に資する。

③調査概要


危機管理制度

アメリカでは政府から全米に対し、安全保障の方針が示されており、全米で足並みをそろえた取り組みを行っている。
この理由として、過去2件の出来事が影響している。
1つ目がニューヨークで発生した「9.11同時多発テロ」ある。
2つ目がハリケーンノ「カトリーナ」である。
この際に問題となった点が、各省庁間の連携体制であったことから、これらを契機に、危機管理体制において国、州、
地方自治体間で連携するようになった。

アメリカでは、NIMS(全米事象管理制度)という制度がある。NIMSは「災害への備え」や災害時の「コミュニケーションと
情報管理」、発災後の「資源管理」等の要素で構成される全米共通の危機管理体系であり、災害発生時、組織の活
動を管理・調整するため、統一的な考え方・基本原則等を定めている。あらゆる災害や組織に適用できる制度である。

カルフォルニア州では、災害時に州内の自治体で必要な人材や機材等を共有する制度がある。例えば、消防車に搭載
された機材の情報について全て共有しており、他の地区に支援を依頼する際、必要としている機材を的確に依頼すること
が出来るようになっている。

また、人材面でも同様に誰がどのような資格や訓練を受けているか自治体間で情報共有されている。そのため、災害時に
他の地区へ人的応援を依頼する際、災害の内容に応じで必要としている人材を的確に依頼することができる。

アメリカでは、全ての組織が同一の取り組みを行っており、災害時の対応やそれに関連する研修・訓練、災害復興時の手
順等は、法令に基づき統一されている。そのため、危機管理における書式、手法や使用される用語等は、ロサンゼルス、
サンフランシスコ、サンノゼなどの組織においても共通して対応することができる仕組みになっている。


防災計画の訓練や研修等の防災対策

災害対応において当局が力を入れているのは「計画」である。市は「緊急時運用プラン」を策定している。 その立案過程
では、各部が共同して策定することとしており、それぞれの観点から何が必要であるか意見を出し合い、作り上げている。

この緊急時運用プランにより、市の各部における緊急時の役割、すべき事項が明文化されているため、災害時には各部
署で様々な活動・運営を円滑に行うことができる。また、市の助役は危機管理部長の役割も兼務するこになっている。

緊急時運用プランでは、災害時にとるべき行動の優先順位が示されており、最重要事項は生命安全の確保、2番目は
資産や財産の安全確保、3番目は環境の保全、4番目は事態鎮静化の達成とされている。

さらに、災害の種類別に具体的対応策も記載されており、例えば、洪水等が起こった際、廃棄物が排水溝を埋めてしまう
こともあるが、その場合の詳細な対応・管理方法についても定められている。

これはあくまでもプランであり、実行する人がプランの内容を理解、自分の役割を認識することが重要である。そうすることで
自分の役割が分からずに混乱することもなく、活動の効率も上がる。

次に行うのが研修及び演習である。計画があっても研修や演習がなければ突然の事態に対応できないため 非常に重要
な要素となっている。策定した計画の内容や計画の実行性について学習してもらい、その後、 実際に演習を通じて理解
を深めてもらう。

地域における研修プログラムとしては、サート(CERT) と呼ばれる自主防災組織があり、サートが研修を行っている。
サートは資格制度であり、この研修を受けて取得した資格は、カリフォルニア州以外の州でも活用できる資格である。
現在14の機関で研修が行われており、1つの機関で約40名が受講しているが、将来的には倍増を考慮している。

サートの目標は、研修を受けた市民が発災直後に実行すべきことを覚えてもらうことである。サンタクララ郡でも、消防署が
同様のプログラムを行っており、アメリカ全土でこのような取り組みが行われている。


:関係機関との連携体制

サンノゼ市では災害対応にかかる政策等について協議を行う「緊急サービス委員会」があり、地域内の主要な団体の長が
出席し、年に1回程度開催される。
そこで政策が合意されると、次の段階として政策をどのように実行可能なものにするか論議が行われ、さらにその下部組織
において、中間管理職が参加し、具体的手法の検討・決定がなされている。

サンタクララ郡の場合も、郡レベルで「緊急運用地域管理委員会」という、サンノゼ市の緊急サービス委員会と同様の役割
を担う組織が存在する。またCADREという非常事態に活動する非営利団体の集合体があり、この団体も州の組織ととも
に協議をしている。

昨年創設したアドホックという災害時の対応方法を協議する制度がある。例えば、火災が発生した際、発火を止めるため
に停電させることがあるが、この場合、消防署や警察署等は対応の責任を負わなければならない。大都市であるサンノゼ
市で、このような対応をすれば影響がさらに多大であることから、その対応方針等について協議をする。


:防災におけるICTの利用活用

市は無線システムを保有しており、当局内および関係機関との通信用に22の通信回線を使用している。
情報収集アプリケーションも活用しており、災害時には情報収集に苦労することから、住民が被災情報を 報告できるシス
テムをつくり、市はその情報をデータとして取り込むアプリケーションを使用している。
電力会社等の民間企業が保有しているデータは、その企業固有のものであり、市が自由に使えない場合もあるため、この
ような独自のアプリケーションが必要になる。

その他にもサンタクララ郡では、災害時に郡や市等の関係機関がどのような活動をしているか報告しあうシス テムも活用し
ている。このシステムには住民の連絡先データも登録されているため、関係機関から情報が集つまり危険な状態であると判
断されれば、住民への警報を発令する。警報を伝える手段としては、電話やメール、音声データの送信など様々な手段に
より住民へ伝えるようにしている。
また、さらに大規模な災害が発生すると、州や国とも情報共有が必要になるため、携帯電話の通信基地局を使い、情報
共有する制度もある。


防災対策における課題等

サンノゼ市のような大都市では、人種構成も複雑で、文化も多様化しているため、行政で対応する言語は86か国語に
もなる。そのため災害時にうまく情報を伝えることが難しい。また、新たな災害対策を実施する場合には、各コミュニティが
持つ文化的な背景も配慮する必要がある。

シリコンバレーは、活断層の狭間に位置しているにもかかわらず、住民の過去の災害の記憶が薄れている。
そのため、災害対策の機運を起こしにくく、教育や公的機関等が行うワークショップ等の地域サービスに力を入れづらい状
況である。サンノゼ市での22年前に洪水の被害にあったものの、意識が薄れていることから、市民をはじめ、行政職員に
対しても継続した教育が必要である。

当局では、この5年間に地震への対策を整備するということを目標にしており、市議会や市長もこの目標を指示してくれて
いる。達成するにあたっては、各段階でどのような対策をとらなければならないか、明確かつ適切なロードマップを作成してい
く必要がある。災害は起こるか起こらないかではなく、必ず起こる。時間の問題である。行政として一貫して同じメッセージを
出し続けることが大切である。


:主な質疑応答

問)昨年、本県では大規模な災害が発生したが、対応が遅れてしまった。それをカバーするようなシステム はあるのか。
答)住民の信頼を取り戻すことが重要であると思う。当局では以前、準備不足により災害対応で同じ過ちを犯してし
   まったことがある。それが契機となり研修と地域への防災教育を強化して取り組んでいる。

問)情報収集アプリケーションについて、住民から停電等の様々な情報が上がってくると思うが、大規模災害時には住民
   から上がってくる大量の情報について、取捨選択はどのようにしているのか。
答)地理空間情報システムを活用し、SNSを通じて情報をあげてもらう。これらの情報の多い地域は、特に被害が大きい
   と判断し、その地域への支援を拡充するようにしている。

問)千葉市にも平時で似たようなシステムはあるが、本県を直撃した台風の際は、倒木があったとか、屋根が壊れた等、
   情報過多になり市が対応しきれない状況がうかがえた。市として情報を絞り込む等の対応はしているのか。
答)情報収集アプリケーションの目的は、どこの被害が大きく、どの地域への支援を拡充したらいいのかを優先的に見極め
   るためである。地域自治体では全ての被害に対応する資源が十分にないことが多いため、限られた人材や機材で対
   応するためのツールとして活用している。
   その他の地域については、時間の経過とともに他の地域から支援があるので、そこで対応してもらう。
   情報収集することが重要であり、情報を集約すると被害の様子が見えてくる。上がってきた情報の優先順位はリーダー
   が決めている。










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